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瓦屋根から雨漏りが発生する原因とは?応急処置や本格的な修理を徹底紹介

瓦屋根から雨漏りが発生する原因や対策を徹底紹介

瓦屋根は耐久性の高い屋根材として知られていますが、経年劣化や災害などの影響を受けると雨漏りが発生することがあります。雨漏りを放っておくと建物全体の老朽化を早める原因となるため、雨漏りの原因をチェックするとともに、早急に然るべき処置・修理を行いましょう。

今回は瓦屋根から雨漏りが発生する原因や、雨漏りが生じたときの応急処置方法、自分で行うのが難しい場合の対処法を説明します。

瓦屋根から雨漏りが発生する原因

瓦屋根から雨漏りが発生する原因は、大きく分けて6つあります。

瓦材の浮き・ズレ・割れ

瓦は頑丈な屋根材ですが、瓦を固定する葺き土が劣化していると、地震や飛来物による衝撃で浮き・ズレ・割れなどが発生することがあります。瓦の下には防水シートが敷き詰められているので、瓦が浮いたりズレたりしても、すぐに雨漏りすることはありません。しかし、瓦の浮き・ズレ・割れを長く放置していると、防水シートが劣化し、徐々に雨漏りしてくるおそれがあります。

漆喰の剥がれ・割れ

瓦屋根は、瓦と棟の間に漆喰を詰め込み、雨水の浸入を防ぐ仕組みになっています。この漆喰には防水処理が施されていますが、経年劣化によって剥離したり、ヒビが入ったりすると、そこから雨水が浸入し始めます。それを放っておくと、漆喰のさらに奥に詰め込まれている土まで浸水し、土が流れ出たり、瓦の固定が弱まったりして雨漏りに発展しかねません。

防水シートの劣化

日本の瓦屋根には、ルーフィングと呼ばれる防水シート(下葺き材)が設置されています。防水シートが正常に機能している間は、雨に降られても屋根材の下にまで水が浸入してくる心配はありません。しかし、経年劣化によって防水シートに穴や裂けが生じたり、シート全体が縮んでしまったりすると防水機能が低下し、雨水の浸入を許してしまうことがあります。

防水シートの耐用年数はシートの種類によって異なりますが、古くからあるアスファルトルーフィングは約10年、高分子系ルーフィングは約15年と短めなので注意が必要です。

谷板金の劣化

谷板金とは、屋根の谷部分に設置されている板金のことです。別名「谷樋」とも呼ばれており、雨水などの排水を目的としています。その性質上、他の部材よりも劣化が進みやすい傾向にあり、雨水の影響で塗装が剥がれてサビが発生すると、穴やヒビが入って雨水が浸入するおそれがあります。また、紫外線や太陽熱の影響によって谷板金が変形すると、排水がスムーズに行われず、雨漏りの原因になりかねません。

雨樋の劣化

雨樋は、屋根を伝った雨水を受け止め、地上や下水に排水するために設けられています。瓦屋根に限らず、全ての屋根に設置されていますが、雨樋に木の葉やゴミが詰まったり、経年劣化で割れや歪みなどが生じたりすると、雨水の排出がスムーズにいきません。そのため、排水されなかった雨水は軒裏から内部に浸入し、雨漏りが起こる原因となります。

雨水が直接外壁にかかった場合、外壁の劣化や塗膜の剥がれなどにも繋がるため、雨漏りだけでなく建物全体の老朽化が進むリスクもあります。

葺き土の流出・減少

葺き土とは、瓦を葺く際、野地になじませるために用いられる土のことです。大量の土を使用するため、重量や耐震性の問題から現代では採用されなくなりましたが、昭和初期頃に建設された瓦屋根住宅には葺き土を用いる土葺き工法が多用されていました。

土葺き工法では多量の土を葺いて瓦を固定しますが、長い年月が経過すると土がだんだんと流出し、全体の量が減少します。葺き土には雨水を吸い、建物内部への浸水を防ぐ効果があるため、土の量が減少すると防水効果が薄れ、雨漏りを引き起こす要因となります。

瓦屋根から雨漏りが発生したときの応急処置

瓦屋根から雨漏りが生じた場合、放っておくと室内が水浸しになってしまいます。雨漏りに気付いたら、早急に然るべき対処を行うことが大切です。

ここでは瓦屋根から雨漏りが発生したときの応急処置方法をご紹介します。

床や家具への水濡れを防ぐ

まずは、雨漏りしている部分の真下にある床や家具の水濡れを防ぎます。雑巾を使って既に濡れている部分の水分を拭き取ったら、雨水が滴っている箇所にバケツや桶などを設置します。天井から落ちてくる水を受け止めると水はねが起こるので、バケツの周囲にはタオルや雑巾、大判のビニール袋やゴミ袋などを敷き詰めておくと安心です。スペースの関係上、水受けの容器を設置できない場合は、ビニールシートやビニール製のゴミ袋などを周辺に敷き詰めて対処しましょう。

防水テープを使って補修する

雨漏りの原因箇所が特定できる場合は、防水テープを使って補修することも可能です。例えば、瓦屋根の一部にヒビが入っていて、そこから雨水が浸入している場合は、ヒビの部分に防水テープを貼り付けることで応急処置することができます。

具体的なやり方としては、まず雨漏りの原因箇所をきれいに洗浄します。水洗いだけだと排気ガスなどの油分を除去しきれないので、洗剤やアルコールスプレーなどを使って表面を丁寧に拭いましょう。汚れや油分が残っていると防水テープの粘着力が弱まり、貼ってもすぐに剥がれてきてしまう可能性があるので要注意です。洗浄後、表面が完全に乾いたら防水テープを貼り付けます。雨水の流れに逆らうように、下から上へ向かって貼り付けるのがポイントです。このとき、なるべくテープの中に空気が入り込まないよう、片方の手でテープを押さえながら貼っていきましょう。

適切にテープを貼り付けられれば、一時的に雨漏りを止めることが可能です。

屋根にブルーシートを敷く

雨漏りの原因箇所が広範囲にわたっている場合は防水テープによる部分補修が難しいため、屋根全体にブルーシートを敷いた方が効率的です。ブルーシートはホームセンターなどで購入できます。事前に屋根のおおよその面積を計算し、やや大きめのシートを購入するようにしましょう。大まかな屋根面積は床面積×1.1(急勾配の屋根は×1.2)で求められます。また、雨漏りの応急処置でのシートには重石を固定するため、ハトメ付きのものを選びます。ブルーシートが飛ばないための重石としては、砂利や土を準備して土嚢袋の中に入れたものがおすすめです。これらもホームセンターで購入できますが、重石に関しては自宅の庭の土や砂利、使っていないレンガブロックを代用してもOKです。用意した土嚢袋のうち、いくつかは2つの紐同士を結んでセットにしておきます。

作業するときは2人以上で行い、慎重に屋根全体にブルーシートを広げましょう。ブルーシートを敷いたら、棟瓦をまたぐようにしてセットにした土嚢袋を設置します。シートの角や辺に単体の土嚢袋を置くときは、ブルーシートのハトメに紐をくくりつけて固定します。

ただし、ブルーシートを敷く作業は屋根に上がる必要があるため危険です。足を滑らせた場合、転落してしまうリスクがあるため、ブルーシートによる雨漏り処置はなるべく避けるのが無難です。

雨漏り処置を自分で行うのが難しいときは?

瓦屋根の葺き替え

応急処置はあくまでその場しのぎの方法なので、雨漏りの根本的な解決には至りません。応急処置で乗り切ったとしても、時間が経てば再び雨漏りが発生する可能性が高いです。雨漏りは床や家具の水濡れだけでなく、木造の建材にも水が染みこむため、腐食の原因となることがあります。特に基礎や骨組み部分が腐食すると、耐久性や耐震性が大幅に低下し、地震などが発生したときに建物が破損・倒壊するリスクが高くなります。また、腐食した建材はシロアリのエサとなるため、シロアリによる虫害も発生してしまいかねません。

雨漏りを根本的に解決するためには、原因箇所を特定し、本格的な処置を行うことが大切です。原因箇所の特定および本格的な処置には、専門的な知識と技術、専用の材料・工具が必要になるため、専門業者に任せるようにしましょう。専門業者による雨漏りの修理には以下のようなものがあります。

コーキング処理

瓦屋根に生じたヒビや破損部分にコーキングを充填し、隙間を埋める方法です。雨漏りの原因が小規模な破損であった場合に有効な方法で、比較的短時間かつ安価な費用で処理できます。

コーキング処理は自分で行うことも可能ですが、原因箇所と異なる部分をコーキングしてしまうと雨水が排水されなくなり、雨漏りの新たな原因を作ってしまうことがあります。そのため、コーキング処理を行う際は業者に原因箇所を特定してもらった上で処理するのが一般的です。

瓦屋根の交換

地震や台風などの影響で瓦屋根の一部が飛んだり、破損したりした場合は屋根材の交換を行います。瓦屋根は部分的に取り外すことができるので、破損した部分のみを取り除き、新しい瓦に入れ替えます。

漆喰の詰め替え

漆喰の剥がれや割れが原因の場合は、漆喰の詰め替え作業を行います。古い漆喰は使えないので、きれいに除去・清掃した後、新しい漆喰を詰めていきます。

防水シートの交換

防水シートが劣化している場合は、新しいものと交換します。上に乗っている屋根瓦を一度撤去した後、古い防水シートを取り除き、新しいものに交換してから再び屋根瓦を戻す作業を行います。

谷板金・雨樋の修理・交換

谷板金や雨樋が老朽化・破損している場合は、状況に応じて修理、あるいは新しいものへ交換します。雨樋の詰まりが原因の場合は汚れやゴミを取り除くだけで雨漏りを解消できることもありますが、詰まりの原因が雨樋の破損や歪みだった場合は修理または交換が必要です。

瓦屋根の葺き替え

現在は耐震性の問題から、土葺き工法による瓦屋根の葺き替えは行われていません。葺き土の流出が原因の場合は、葺き土を全て取り除き、下地をならして野地板や下葺き材、屋根仕上げ材を張っていく引掛桟葺き工法による葺き替えを行います。

以上が主な雨漏りの対処法となります。雨漏りの原因は業者が特定し、適切な対処方法を提案してくれるため、まずは業者に相談するのがおすすめです。

生活協同組合ちば住宅コープでは、屋根塗装や防水工事など、雨漏り対策に必要なサービスを提供しています。外壁やシロアリ予防、リフォームなどにも対応しているため、雨漏りや、雨による住宅の老朽化が気になる方はちば住宅コープへご相談ください。

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