ブログ

家の水切りの役割や劣化したときの対応方法を詳しく紹介

家の水切りの役割や劣化したときの対応方法を詳しく紹介

家の屋根や外壁には、水切りと呼ばれる金物が付いています。水切りは家を自ら守るという重要な役割を担っていますが、年数の経過とともに劣化が進むため、定期的にメンテナンスすることが大切です。劣化を放っておくとさまざまなトラブルが生じる原因となるので要注意です。

今回は家の水切りが設置されている箇所や、水切りの主な役割、劣化した場合の対応方法について解説します。

家の水切りはどの部分に設置されている?

家の水切りは、以下のような部分に設置されています。

  • 建物と基礎の間
  • 窓の下
  • バルコニーの下
  • 上階の外壁と下屋根の取り合い
  • 屋根とドーマーの取り合い
  • 天窓周辺

上記のように水切りは家のさまざまなところに設置されており、場所に応じて土台水切り、窓下水切り、壁水切りなどと呼ばれています。

水切りの主な役割

水切りの役割は、その名の通り、水の流れを切ることにより水の浸入を防ぐことです。家はさまざまな部材を繋ぎ合わせて建築されますが、屋根材同士や外壁と屋根材、外壁とサッシ周りといった部材同士のつなぎ目には、どうしても隙間が空いてしまいます。

雨は屋根や壁を伝って上から下に流れていくため、つなぎ目に隙間があると雨水が建物の内部に浸入してしまいます。そのため、家の建築時には雨水の浸入を防ぐための雨仕舞いという作業が行われますが、そのうちの一つが水切りの設置です。

金属の水切りを部材と部材のつなぎ目に設置すると、屋根や壁を伝う水の流れを切り、適切に排水させることができるため、雨水の浸入を防ぐことができます。

この作用により、水切りを設置することで以下の効果を期待できます。

基礎の腐食防止

雨水が建物の基礎部分の内部に浸入すると、建物を支える基礎が腐食する可能性があります。腐食の進行は、基礎が建物を支える力を弱め、地震などの災害が発生したときに建物が破損・倒壊するリスク要因になります。

土台水切りを設置すれば、外壁を伝う雨水の浸入を防ぐことができるため、基礎の腐食を未然に防止できます。

外壁の汚れ防止

家の外壁には、雨垂れ汚れと呼ばれる黒い筋のような汚れが付着することがあります。この汚れは、空気中に含まれる車の排ガスや土ぼこり、雨に含まれる炭酸カルシウムなどが雨の流れとともに外壁に付着したものです。一度汚れが付くと落とすのはなかなか手間が掛かります。

水切りがあれば、汚れた雨水が外壁に留まるのを防ぐことができるため、雨垂れ汚れの防止になります。

雨漏りの防止

雨水が屋根や外壁から室内に浸入しないように適切な対策を取らなければ、雨漏りが起きかねません。また、雨漏りは内装や家具、家電などに被害を及ぼすだけでなく、湿気によってカビが生えると人の健康に害をもたらす要因にもなります。

水切りで室内への雨水の浸入を防げば、有効な雨漏り対策になります。

水切りの主な種類

戸建て住宅の外壁

水切りは設置する場所に応じてさまざまな種類に区分されています。ここでは水切りの主な種類を7つご紹介します。

土台水切り

基礎と外壁の境目に設置する水切りのことです。外壁を伝う雨水を途中で切ることで、その下にある基礎への浸水を防ぐことができます。

窓下水切り

窓枠の下に設置する水切りのことです。窓下水切りは、窓を流れてくる雨水を切ることを主な目的としています。

雨押さえ水切り

一階部分の屋根(下屋)と、2階部分の外壁がぶつかる接合部に取り付けられる水切りです。この場所は外壁を伝って流れてきた雨水が溜まりやすい場所であるため、雨押さえ水切りを取り付けることで雨水を屋根の方へ流していきます。

新築の場合、外壁の内部まで立ち上げるように施工しますが、立ち上げが不十分だと雨漏りが発生する原因となります。

壁止まり水切り

取り合いの部分に取り付けられる雨押え水切りの先端に付けられる水切りです。雨押さえ水切りを伝った雨水は屋根や軒先に向かい、軒先へ流れた水は雨どいから排水される仕組みになっていますが、雨水が屋根や外壁の裏に流れ込んでしまうと雨漏りの原因となります。

壁止まり水切りを取り合いの先端に付ければ、雨水が屋根や外壁の裏へ流れ込むのを防ぐことができ、雨漏りや水漏れの予防になります。

ケラバ水切り

ケラバとは、屋根の傾斜がある側(妻側)の端のことです。外壁よりも少し飛び出しているため、雨が当たりやすく、水を切る処理をしっかり行う必要があります。

このケラバに設置されるのがケラバ水切りで、板金を使って端をカバーする方法が採用されます。なお、瓦の場合はL字型のケラバ瓦と呼ばれる部材を使用するのが特徴です。

軒先水切り

屋根の軒先に付けられる水切りのことです。軒先は降雨のたびに雨が集中する部分なので、軒先水切りを設置し、雨水を雨どいへ確実に流す必要があります。

谷水切り

屋根の面と面が谷になっている部分に取り付ける水切りです。谷は切妻屋根や寄棟屋根などを混合した複合屋根にできるもので、雨水が集中しやすい形状になっています。谷水切りを設置すれば、谷に集中した水を一気に下へ流すことができるため、屋根からの雨漏りを防ぐことが可能です。

なお、谷水切りは他の水切りに比べて雨の影響を受けやすい部位にあるので、劣化のスピードが速い傾向にあります。定期的にメンテナンスをしないと、雨漏りや水漏れなどのトラブルが起こりやすいので注意しましょう。

水切りの劣化症状

金属製の水切りの寿命は平均15~25年とされています。ただ、豪雨や台風などの被害を受けやすい地域や、雨水が溜まりやすい部位(屋根の谷部分など)は、平均耐用年数よりも寿命が短くなりがちです。

特に以下のような症状が見られたら劣化が進んでいる証拠なので、経過年数にかかわらず修理や交換を検討しましょう。

サビの発生

水切りには防水のための塗装が施されていますが、経年劣化で塗装が剥がれてくると金属にサビが発生しやすくなります。サビを放っておくと見た目が悪くなるのはもちろん、穴が開いたり、亀裂が入ったりして雨水が浸入する原因となります。

水切りにサビが浮き始めたら交換を考えた方がよいでしょう。

色あせ・退色

雨水や紫外線などの影響を受け続けると、水切りの塗装が徐々に劣化し、色あせや退色の症状が出始めます。

塗装が剥がれてくると防水効果が薄れ、サビや腐食のリスクが高くなるので、「新築の頃に比べて色が薄くなった」「全体がくすんできた」などの症状に気づいたら、交換のタイミングと考えましょう。

凹み

水切りは薄い金属板でできているので、軽い衝撃を受けただけで凹みが生じてしまうことがあります。

水切りに凹みができると、板金が変形してしまい、隙間から雨水が浸入する原因となります。

特に土台水切りは手が届きやすい場所にあるので、ボールや自転車がぶつかった、子どもがいたずらして凹ませてしまった、などのトラブルが起こりやすく、注意が必要です。

破損

金属は一般的に割れや欠けに強い傾向にありますが、経年劣化による腐食が進むと素材がもろくなり、破損が生じかねません。割れや欠けが起こった部分は塗装が施されていないため、腐食がさらに進行し、劣化がさらに進む原因にもなります。

また、水切り自体に破損がなくても、水切りを固定している留め具(釘など)が劣化・破損しているケースもあります。留め具が劣化すると水切りが外れたり浮いたりして隙間が生じ、水が浸入しやすくなるので早めに対処する必要があります。

水切りが劣化したときの対応方法

水切りを塗装する様子

水切りに劣化や不具合が起こった場合の主な対応方法を3つご紹介します。

水切りの塗装

水切りに色あせ、退色が見られる場合や、軽度のサビが発生している場合は、塗装をし直すことで対処できます。サビは軽いものならスポンジやブラシでこすったり、サビ専用の洗剤を使う等すればきれいに落とせます。塗装をし直す場合は、まずサビを丁寧に落としてから作業を行いましょう。

サビがある程度進行している場合は、サンドペーパーやワイヤーブラシなどを使って該当箇所を研磨(ケレン)し、サビを削り落とす必要があります。ただ、ケレンにはある程度の技術が求められるので、DIYに慣れていない場合は業者に任せた方がよいでしょう。

また、水切りに塗装ができるか否かは水切りの素材によって異なります。スチールや鉄製の水切りなら塗装が可能ですが、アルミやステンレス製の場合は塗装がすぐに剥がれてしまいます。

元々アルミやステンレスはサビに強い金属ですが、腐食するリスクはゼロではありません。塗装で対応できない以上、サビが浮いてきたら新しいものへ交換することを検討しましょう。

水切りの補修・修理

凹みや破損のある水切りは補修・修理で対応します。凹みがある場合は該当箇所を引っ張って平らにし、破損がある場合はサンドペーパーで下地処理を施した上で、上からパテ(ペースト状の穴を埋める材料)を塗って補修します。

軽度な凹み、破損であれば部分的な補修・修理で済むため、時間もコストもそれほど掛かりません。ただ、凹みの修復やパテの塗り方にはコツがいるので、難しいと思ったら業者に依頼した方がよいでしょう。

水切りの交換

凹みや破損がひどい場合や、劣化が広範囲にわたっている場合は水切りの交換が必要です。

交換作業では、既存の水切りを撤去し、新しい水切りを設置しますが、下地も傷んでいる場合は新しい下地も取り付けることになります。

水切りと水切りの間の継ぎ目はコーキングで防水し、留め具でしっかり固定したら交換作業は完了です。この交換作業は大がかりになりやすい上、上階の外壁と下屋根の取り合いや、屋根などに設置された水切り交換の場合は高所作業をともなうので、業者に任せた方がよいでしょう。

ちば住宅コープでは、水切りの再塗装や防水工事、リフォームなど、住まいのお悩みを解決するさまざまなサービスを取り扱っています。施工の際はちば住宅コープの事務局が、施工業者の料金や技術などをきちんとチェックするので、安心して作業を任せられます。

水切りの老朽化や破損が気になっている方は、ぜひちば住宅コープまでお気軽にご相談ください。

外壁塗装やリフォームなど住宅に関する
ご質問・お見積りはお気軽にご相談ください。

0120-621-006【受付】9:30-17:30【定休日】木・日・祝

お問い合わせは、録音専用音声ガイダンスとなっております。
音声にしたがって、該当番号を押してください。
(各種工事のお問い合わせは①)
「ピー」という音が鳴りますので、お名前と電話番号をお伝えください。
後ほど事務局よりご連絡いたしますので、そのまま電話はお切りください。