サイディング塗装の費用はどのくらい?相場を詳しく解説

サイディング塗装の費用はどのくらい?相場を詳しく解説

新築から年数が経過すると、サイディングの塗装が劣化し始めるため、再塗装を行う必要があります。サイディング塗装にはある程度まとまった費用が必要になるため、あらかじめおおよその相場を把握しておきましょう。
今回はサイディング塗装の費用相場や、サイディング張り替えの費用相場、サイディング塗装の費用を安くするコツをご紹介します。

この記事の伝えたいこと

外壁の美観を守りながら長寿命化を図るには、クリア塗装の正しい理解と施工判断が不可欠です。

  • サイディング塗装の費用はいくらかかる?
    30坪の住宅でのおおよその目安と、塗装費、足場代、その他の費用など、それぞれの費用相場がわかる内訳と計算方法を詳しく解説します。
  • 塗装?それとも張り替え?メンテナンスの最適なタイミングは?
    サイディングの劣化が進んで「張り替え」が必要になる具体的な状況を知り、あなたの家の状態に合わせた適切なメンテナンス方法を見極めるヒントが得られます。
  • 絶対に失敗しないための費用を安く抑えるコツとは?
    複数の業者を比較する、屋根塗装を同時に行うなど、手抜き工事のリスクを避けながら、安心かつ適正価格で塗装を行うための具体的な節約術が満載です。
  • 塗料のグレード選びで後悔しないためには?
    目先の安さにとらわれず、塗料ごとの単価相場と耐用年数の関係を知ることで、長い目で見て最もお得になる「失敗しない」塗料選びの判断基準がわかります。

サイディング塗装にかかる費用相場

サイディング塗装にかかる費用は、使用する塗料の種類やサイディングの塗装面積などによって異なりますが、1㎡あたりの単価は5,000円~1万円程度が相場とされています。
サイディング塗装の費用の内訳は、大きく分けると塗装費、足場代、その他の費用の3つに区分されます。

塗装費の相場

サイディング塗装費用のうち、特にコストの差が生じやすいのが塗装費です。サイディング塗装に用いられる塗料には複数の種類があり、それぞれ単価が異なるためです。
以下にサイディング塗装に使われる主な塗料の1㎡あたりの相場をまとめました。

塗料の種類 1㎡あたりの単価相場
アクリル塗料 1,000円~1,800円
ウレタン塗料 1,800~2,500円
シリコン塗料 2,500~3,500円
ラジカル塗料 3,000~4,000円
フッ素塗料 4,000~5,500円
無機塗料 4,500~6,000円

例えば一般的な延床面積30坪の住宅のおおよその外壁塗装面積は、30(坪)×3.3(3.3㎡/坪とする)×1.2(係数)で約119㎡です。この場合、塗装費だけで11万9,000円~71万4,000円と大きな差が生じることになります。単価の安い塗料を使用すれば、1㎡あたりの塗装費用を安く抑えられますが、安価な塗料ほど耐用年数が少ないという欠点があります。
耐用年数が少ない塗料を使用すると、塗り替えまでの期間が短くなるため、長い目で見ると単価の高い塗料を使用するよりもコストが高くなってしまう可能性があります。
サイディング塗装の塗料を選ぶときは、目先の出費だけでなく、将来的に行う外壁塗装のことも考えて検討することが大切です。

足場代

サイディング塗装を行うには足場を組む必要があります。足場の単価は業者によって異なりますが、1㎡あたりの単価はおおむね900円〜1,600円程度とされています。
足場代を計算する際に必要となる足場架け面積は、(家の外周+4m)×(家の高さ+0.5m)で求められます。外周に4mを足すのは、足場を架ける位置が住居より少し(各方向に0.5mほど)離れているためです。足場の高さについても同様に0.5mをプラスします。
例えば家の外周が30m、高さが6mだった場合、(30m+4m)×(6m+0.5m)=221㎡が足場架け面積となります。これに足場代の単価を乗じると、221㎡×900円~1,600円=19万8,900円〜35万3,600円が足場代の相場となります。

その他塗装時にかかる費用の相場

内訳 単価相場
高圧洗浄 100円~300円/㎡
養生 300円
シーリング打ち替え 900円~1,200円
シーリング増し打ち 500円~900円
諸経費 3万円~10万円

その他塗装時にかかる費用として、「高圧洗浄」は100円~300円/㎡、「養生」は300円。重要な付帯工事では「シーリング打ち替え」が900円~1,200円、「増し打ち」は500円~900円で費用が発生します。これらの費用に「諸経費」3万円~10万円が加算されます。諸経費については、現場管理費と廃材処理費を提示しております。
サイディング塗装費の大まかな費用相場は、塗装費・足場代・その他の塗装時にかかる費用を合計して、45万5,000円~138万1,800円になります。あくまで目安ですので、具体的な費用が知りたいときは業者に問い合わせたり、見積もりを依頼したりして確認しましょう。

サイディング張り替えにかかる費用相場

サイディング張り替えを行う外壁

サイディング自体の劣化が進んで、大きなひび割れや破損などが生じている場合、塗り替えではなく張り替えが必要になることもあります。サイディング張り替え費用の内訳は、大きく分けてサイディング費、足場代、解体費・撤去費、その他の費用の4つに区分されます。
足場代と諸経費に関してはサイディング塗装とほぼ同じなので、以下ではそれ以外の費用の内訳を解説します。

サイディング費

サイディングにはさまざまな種類があり、何を選んだかによって単価が大きく異なります。
以下では主なサイディングの種類と1㎡あたりの単価相場をまとめました。

サイディングの種類 1㎡あたりの単価相場
窯業系サイディング 3,000円~6,000円
金属系サイディング 4,000円~7,000円
木質系サイディング 6,000円~9,000円
樹脂サイディング 7,000円~1万円

一般的な延床面積30坪の住宅(外壁塗装面積119㎡)なら、35万7,000円~119万円となり、塗装同様、選んだ素材によって価格に大きな差が生じることがわかります。
比較的手頃な価格の窯業系サイディングは日本でのシェア率が最も高く、バリエーションも豊富です。より高い機能性を求める場合は、金属系や木質系、樹脂サイディングを選択するという方法もあります。
例えば金属系は断熱性と遮音性が高く、軽量なところが利点です。木質系は高断熱性に加え、ぬくもりのあるデザイン性が人気です。樹脂サイディングは耐候性に長けており、メンテナンスに手間がかからないというメリットがあります。
それぞれの特徴をよく理解した上で、予算との兼ね合いも考慮してサイディングの種類を選ぶのがポイントです。

解体費・撤去費

古くなった既存のサイディングを解体し、撤去するための費用です。解体・撤去にかかる費用は1㎡あたり1,500円~3,000円程度が相場とされています。30坪の住宅(外壁塗装面積119㎡)なら17万8,500円~35万7,000円程度が費用相場となります。

その他張り替え時にかかる費用の相場

その他の費用はサイディング塗装とほぼ共通していますが、張り替えの場合は下地材の費用もかかります。下地材の費用としては、雨水の浸入や結露の発生を防ぐ透湿防水シートが280円~440円/㎡、壁への取り付けに使用する胴縁が1,200円~1,800円/㎡、雨水対策に使用する水切り板金が1,300円~2,000円/mとなっています。
なお、透湿防水シートは張り替え面全体に敷くので、30坪(外壁塗装面積119㎡)なら約3万3,320円~5万2,360円程度です。
また、胴縁は、30坪(外壁塗装面積119㎡)なら14万2,800円~21万4,200円が相場とされています。
一方、水切り板金は全面ではなく要所で使用します。30坪住宅なら4万円~8万円が一般的な相場です。
よって、一般的な延床面積30坪の住宅のサイディング張り替えにかかる合計費用相場は、113万5,220円~256万1,360円です。

サイディング塗装の費用を安くするコツ

サイディング塗装の費用を安くするコツを5つご紹介します。

複数の業者を比較する

同じ住宅のサイディング塗装でも、施工を依頼する業者によってトータル費用に差が出ます。同じ条件で複数の業者に見積もりを取り、最もお得な業者に塗装を依頼すれば費用を安く抑えられます。
ただ、相場よりも大幅に安い価格を提示してくる業者には注意が必要です。作業が終わった後、見積もりにはなかった追加料金を請求してきたり、手抜き工事をされたりする可能性があります。業者を選択する際は費用の安さだけでなく、安心して施工を任せられるかどうかも重視することが大切です。

屋根塗装も同時に行う

サイディング塗装と屋根塗装を別々に行うと、その都度足場を架けなければならないため、余計なコストがかかります。サイディング塗装と屋根塗装の劣化はほぼ同じタイミングで訪れると言われているので、外壁塗装と同時に屋根塗装を行えば、足場架けが一度で済むぶん、費用を節約することができます。
外壁塗装と屋根塗装の同時施工について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください

助成金や補助金を利用する

自治体によっては、サイディング塗装の施工費用に助成金や補助金を支給してくれる制度を導入しているところもあります。
例えば千葉県我孫子市では、リフォーム工事を発注する我孫子市民または工事完了後に我孫子市内に転入する方を対象に補助金を支給する「我孫子市住宅リフォーム補助金制度」を実施しています。受付期間は令和7年4月1日から令和8年2月10日までです。
この制度では、補助対象住宅のリフォーム区分に応じて、リフォーム費用の5~20%(上限あり)にあたる補助金を給付してもらえるため、サイディング塗装費の負担を減らすことができます。利用を考えている方は、担当者に問い合わせて内容を確認してみてください。
千葉県の補助金について詳しく知りたい方はこちら

夏や冬に依頼する

サイディング塗装は一年中行える工事ですが、夏や冬は春秋シーズンに比べると発注が少ない傾向にあります。繁忙期を避ければ価格交渉もしやすくなるため、塗装時期にこだわりがなければ閑散期を狙って施工を依頼するのも一つの方法です。

塗料のグレードを下げる

前述の通り、塗料の費用はグレードによって大きく異なります。単価の安い塗料を使用すれば塗装費を節約できるので、予算オーバーした場合はグレードを下げることも検討してみましょう。
ただ、耐用年数の低い塗料を選ぶと塗り替え頻度も高くなり、メンテナンス費用がかさむ可能性があります。塗料選びに迷ったら業者に相談し、ニーズや予算を満たすにはどの塗料を選べばよいかアドバイスをもらうとよいでしょう。
生活協同組合ちば住宅コープでは、外壁塗装や屋根塗装など住まいのリフォーム工事をする際、信頼できる業者選びを代行するサービスを提供しています。
「適正価格で塗装したい」「安心して任せられるところを選びたい」など塗装に関する要望・悩みがある方は、ぜひちば住宅コープへお気軽にご相談ください

サイディングの費用についてよくある質問

:サイディング塗装において、塗料のグレードを下げた時に、「耐用年数」と「塗り替え頻度」が短くなるのはどうしてですか?
塗料のグレード(価格帯)が下がると、一般的に含まれる高機能な成分(例:フッ素樹脂、無機ハイブリッドなど)の割合が減少し、紫外線の影響などを受けやすくなります。このため、耐用年数は短くなり、結果として同じ建物を維持するために塗り替えを依頼する頻度は高くなります。目先の費用は抑えられますが、長い期間で見るとトータルコストがかさむ可能性があるため、耐用年数で費用対効果を判断することが重要です。
:サイディング張り替え時の胴縁(どうぶち)とはなんですか?
胴縁は、新しいサイディング材を外壁に取り付ける際、下地として使用される木材や金属の部材です。これを縦または横に取り付けることで、サイディング材を固定する役割の他に、外壁とサイディング材の間に通気層を確保する役割があります。この通気層が壁内の湿気を排出し、結露やカビの発生、躯体の腐食を防ぐために重要であり、その施工費用として単価が発生します。
:サイディング塗装の見積もりにある「諸経費」に含まれる「廃材処理費」は、塗装工事で具体的にどのような廃材がありますか?
サイディング塗装工事で主に発生する廃材としては、塗装時に使用した塗料の空き缶、塗料が染み込んだ養生シートやテープ(マスキング材)、作業に使用したウェス(布)などが挙げられます。また、シーリングの打ち替えや増し打ちを行った場合は、古いシーリング材も廃材となります。これらを適切に分別し、産業廃棄物として法令に従って処理するための費用が「廃材処理費」として計上されます。

おすすめ記事

【要注目】外壁補修工事はどんな工事?内容と費用を解説

2025年07月25日

【要注目】外壁補修工事はどんな工事?内容と費用を解説

外壁塗装に下塗りが重要な理由とは。費用感やよくあるトラブルなども解説

2025年07月25日

外壁塗装に下塗りが重要な理由とは。費用感やよくあるトラブルなども解説

外壁からの雨漏りを防ぐには?原因と対策を徹底解説

2025年06月30日

外壁からの雨漏りを防ぐには?原因と対策を徹底解説

外壁洗浄の方法や注意点をわかりやすく解説

2024年05月01日

外壁洗浄の方法や注意点をわかりやすく解説

外壁塗装やリフォームなど住宅に関する
ご質問・お見積りはお気軽にご相談ください。

お問い合わせフォーム

お電話でのお問い合わせ

0120-621-006【受付】9:30-17:30【定休日】木・日・祝

その他のお問い合わせ