【外壁塗装】塗料の種類とは〜代表的な7種類のメリット・デメリットとは

【外壁塗装】塗料の種類とは〜代表的な7種類のメリット・デメリットとは

外壁塗装の塗料はたくさん種類がありすぎて、どれを選んだらいいかよく分からないですよね。

最終的にはプロに相談・依頼することになりますが、「塗料の選び方に失敗してしまった…」という事態を避けるためには、施主自身が塗料の基礎知識をもつことが大切です。この記事では、塗料の種類とそれぞれのメリット・デメリットをご紹介します。

はじめに 外壁塗装は塗料の選び方・種類によってどんな差がでるのか

塗料の選び方によって、どんな差がでるのかを解説します。

コストと耐用年数のバランス

コストと耐用年数のバランス

塗料には価格が安いものから高価なものまで幅広く存在しますが、単純に「安いからお得」とは言い切れません。例えば、初期費用が安いアクリル塗料は耐用年数が5〜7年程度と短いため、何度も塗り替えが必要になります。そのたびに足場を組み直す手間や費用もかかるため、長期的に見ると割高になってしまうこともあります。一方、耐久性が高い無機塗料やフッ素塗料は初期費用が高めですが、15年以上もつ場合もあり、トータルコストで考えるとお得になるケースもあります。

外壁塗装は、建物の見た目を美しくするだけでなく、雨風や紫外線から住まいを守る大切な役割があります。短期的な費用だけでなく、「どれくらい持つか」という長期的な視点で塗料を選ぶことが、賢い選択につながります

塗料の機能説明

塗料には耐久性以外にもさまざまな機能があります。雨や太陽光、風から家を守る「耐候性」はもちろん、汚れが付きにくい「低汚染性」や、太陽の熱を反射して室内の暑さをやわらげる「遮熱性」、カビやコケが生えにくい「防カビ・防藻性」など、多機能な塗料が増えています。近年では、遮熱保持性や断熱性など、住まいの快適性を高めるための付加価値も重視されるようになりました。

耐久性 天候の変化や衝撃・摩擦などに対する塗膜の持続性
低汚染性
(ていおせんせい)
汚れにくさ
遮熱性
(しゃねつせい)
太陽の光や熱をはね返し、
家の中が暑くなりすぎないようにする力
遮熱保持性
(しゃねつほじせい)
遮熱性(太陽の熱をはねかえす力)の持続力
断熱性 熱が家の中に入りにくく、そして外に出にくくする力
防カビ・防藻性
(ぼうかび・ぼうそうせい)
カビや藻・コケの生えにくさ
防水性 雨が家の中にしみこまないようにする力

塗料や周辺環境によって、これらの機能性がどこまで発揮されるかは異なります。「安い塗料にしたら結露やカビが発生しやすくなった」という事例もあるので、どの機能が自宅に必要かを事前に考えておきましょう。

外壁材との相性

塗料選びでもう一つ大切なのが「外壁材との相性」です。
たとえばモルタルやコンクリートの外壁にはシリコンやフッ素、アクリルなどが幅広く使えますが、窯業系サイディングの場合はシリコンやフッ素が適しています。

モルタル外壁 シリコン・フッ素・アクリル
コンクリート外壁 シリコン・フッ素・アクリル
窯業系サイディング外壁 シリコン・フッ素
金属系サイディング 金属用シリコン・フッ素

外壁材に合わない塗料を選んでしまうと、塗料が密着せず剥がれてしまったり、ひび割れの原因になったりします。「うちの外壁はどの塗料が合うのか?」と不安に思ったら、必ずプロに確認してもらいましょう。

外壁塗装 代表的な7種類とは 〜メリット・デメリット・特徴を解説

外壁塗装に使われる塗料は数多く存在しますが、今回は代表的な7種類にしぼってご紹介し、選び方やグレードごとの特徴・比較ポイントもあわせて解説します。

【1】アクリル塗料

【1】アクリル塗料
メリット
  • 価格が安い
  • 発色がよく、カラーバリエーションが豊富
デメリット
  • 耐用年数が短いため(5~7年程度)
    長期的には何度も塗り替える必要がある
  • 紫外線に弱いため、太陽光にさらされると
    変色・退色が目立つ


アクリル塗料
単価(円/m²) 1,000~1,800
耐用年数 5年~7年

アクリル樹脂を原料とする塗料で、もっとも価格が安いのが特徴です。面積が広い外壁にも気兼ねなく使えますが、耐用年数は5〜7年程度と短め。紫外線に弱いため、長期間太陽光にさらされるとツヤが失われて変色や退色が目立つようになります。

近年は、より長持ちする塗料が増えたため、住宅の外壁で使われるケースは減少傾向です。
発色の良さやカラーバリエーションの豊富さは魅力ですが、長期的には再塗装の手間や費用がかさむ点に注意が必要です

【2】ウレタン塗料

【2】ウレタン塗料
メリット
  • 密着性が高く、モルタルや鉄部にも塗りやすい
  • 価格と耐用年数のバランスが良好
デメリット
  • シリコン以上の高耐久塗料に比べると再塗装サイクルは短め
  • 紫外線による光沢低下が早い
  • 汚れが付着しやすい


ウレタン塗料
単価(円/m²) 1,800~2,500
耐用年数 8年~10年

ウレタン樹脂を主成分とし、柔軟性と密着性が高い塗料です。モルタルや鉄部、細かい部分にも対応しやすく、耐用年数は8〜10年ほど。価格はアクリルよりやや高いですが、シリコンほどではありません。

ウレタン塗料は手軽さとコスパのバランスが良いですが、紫外線で光沢が落ちやすく、頻繁に再塗装が必要な点はややデメリットです

【3】シリコン塗料

【3】シリコン塗料
メリット
  • 耐用年数12~15年でメンテナンス周期が長い
  • 光沢保持・低汚染性に優れる
  • コストがフッ素より抑えめ
デメリット
  • さらなる高耐久を求めると不十分
  • 弾性タイプでないとひび割れ追従性に劣る


シリコン塗料
単価(円/m²) 2,500~3,500
耐用年数 12年~15年

ベースのアクリル樹脂にシリコン樹脂を配合した塗料です。現在、戸建ての外壁塗装で最も使われています。耐用年数は12〜15年と長く、コストパフォーマンスに優れています。耐候性や低汚染性に優れ、発色や光沢も長持ちします。価格と性能のバランスが良いので、「どの塗料を選んだらよいかわからない」という方にもおすすめです。

ただし、より長寿命な塗料を望む方や、こだわりがある場合はさらにグレードの高い塗料を選択するのもよいでしょう

【4】ラジカル制御型塗料

【4】ラジカル制御型塗料
メリット
  • 耐用年数13~16年とシリコンより長寿命
  • 低汚染性・光沢保持に優れ、チョーキングが起きにくい
デメリット
  • 実績年数が浅いため、長期データは少なめ
  • シリコンよりやや高価


ラジカル制御型塗料
単価(円/m²) 3,000~4,000
耐用年数 13年~16年

ベースとなる樹脂に高耐候酸化チタン、光安定剤を加えた塗料です。比較的新しいタイプの塗料で、紫外線によって発生する「ラジカル(劣化因子)」の働きを抑えることで、塗膜の劣化を防ぐ仕組みになっています。

耐用年数は13〜16年と長めで、チョーキング(白い粉が出る現象)が起きにくい点も魅力です。実績年数が浅いため長期のデータは少なめですが、「できるだけ長持ちする塗料を選びたい」という方にはおすすめです。

【5】フッ素塗料

【5】フッ素塗料
メリット
  • 耐用年数15~20年、光沢保持性能が抜群
  • 汚れが雨で流れ落ちやすい「セルフクリーニング性」あり
デメリット
  • 価格が高い
  • 硬質なため、ひび割れ追従性にやや劣る


フッ素塗料
単価(円/m²) 4,000~5,500
耐用年数 15年~20年

フッ素樹脂を含み、非常に高い耐久性と防汚性を持つ高級塗料です。耐用年数は15〜20年と長く、雨や紫外線にも強いため、商業施設や公共建築物でも使われています。セルフクリーニング効果で雨による汚れ落ちも良く、再塗装の頻度を減らしたい方には最適です。

ただし、初期費用が高めで、塗膜が硬いため木造住宅の揺れなどにはやや不向きな場合もあります

【6】光触媒塗料

【6】光触媒塗料
メリット
  • 汚れが付着しにくく、環境配慮型
  • 空気清浄機能も期待できる
  • 耐用年数15~20年
デメリット
  • 紫外線が当たりにくい北面・日陰で性能を発揮しづらい
  • 専用下塗りが必要で費用が上がる


光触媒塗料
単価(円/m²) 4,500~6,500
耐用年数 15年~20年

酸化チタン(二酸化チタン)を原料とした塗料のことです。

太陽光と雨水の力で汚れを分解・洗い流す機能を持つ、最先端の塗料です。空気清浄効果もあり、塗り替えの手間を大幅に減らせることが最大のメリットです。

ただし、紫外線が当たりにくい北面や日陰では効果が十分に発揮されない場合もあります。専用の下塗り材が必要で、費用は高めです。

【7】無機塗料

【7】無機塗料
メリット
  • 寿命は20~25年とトップクラス
  • 燃えにくく色褪せに強い
デメリット
  • コストが高い
  • 塗膜が硬く、揺れやすい木造住宅ではひび割れの恐れ


無機塗料
単価(円/m²) 4,500~6,000
耐用年数 20年~25年

無機物(石やガラスなど)を主成分にしており、圧倒的な耐久性が特徴です。20〜25年と長寿命で、燃えにくく色褪せにも強いという性質があります。初期コストは高額ですが、とにかく長持ちさせたい方には選ばれています。

一方で、塗膜が硬いため、木造住宅など地震や揺れに弱い建物では、ひび割れが発生する場合もあるので要注意です

他にも知っておきたい「塗料の豆知識」〜水性or油性、1液型or2液型の違いなど

他にも知っておきたい「塗料の豆知識」〜水性or油性、1液型or2液型の違いなど塗料選びでは、種類だけでなく「水性・油性」や「1液型・2液型」など、塗料の種類以外で知っておきたい豆知識をご紹介します。

水性・油性とは

水性塗料は、シンナーなどの有機溶剤を使わず水で溶かして使う塗料であり、臭いが少なく環境にもやさしいのが特徴です。近年の技術進化で耐久性も高まっており、一般住宅では水性が主流になっています。一方、有機溶剤を使って薄める油性塗料は密着性や耐候性が高く、鉄部や金属部には特に適しています。ただし臭いが強く、換気が必要な場合が多いので注意しましょう。

1液型・2液型の違い

1液型は缶を開けて水やシンナーで希釈して使えるようになっているため、すぐに塗れて作業効率が良くなる手軽さが魅力です。2液型は塗る直前に主剤と硬化剤を混ぜてから水やシンナーで希釈して使います。2液型は、1液型に比べ塗膜がより強く、耐久性もアップします。プロ仕様の現場では「上塗りだけ2液型にする」など、用途によって使い分けることも可能ですが、塗料の種類や相性には十分注意する必要があります。

塗料メーカーによってカラーの発色は異なる

同じ色名でも、メーカーによって微妙に色味が違うことがあります。「思っていた色と違う」という失敗を避けるためにも、できるだけ大きめの色見本や実物サンプル板で確認するのがおすすめです。これに加えて、光の当たり方によっても印象が違ってきます。見た目にこだわるのであれば、たとえば晴天時と曇天時にそれぞれ屋外でサンプルを見てみる、日中と夕方に見比べてみるのもおすすめです。

艶あり・艶なしという選択肢がある

塗料には、光沢のある「艶あり」とマットな「艶なし」があり、それぞれに特徴があります。艶ありは汚れが落ちやすく、長くキレイを保ちやすい一方で、派手な印象になりがちです。艶なしは落ち着いた雰囲気を演出できますが、汚れが目立ちやすくなることもあります。

塗料選びの落とし穴 〜失敗を避けるために押さえたいポイント

外壁塗装で失敗しないためには、塗料自体の性能やコストだけでなく、周辺の条件や法令も確認しておくことが大切です。これを押さえておかないと、知らず知らずのうちに条例違反に該当してしまう、見た目が悪くなってしまうなどの問題が発生する可能性もあります。

景観ガイドラインを確認する

自治体よっては、外壁や屋根の色について「景観ガイドライン」が定められている場合があります。観光地のコンビニなどの店舗が茶色い外壁塗装をされているのは、この景観ガイドラインによるものです。街並みや景観を守るため、あまりに派手な色や個性的なカラーは使えない地域もあります。

自宅の塗り替えを検討する際は、地域に詳しい専門業者に相談して、事前にガイドラインをチェックしておきましょう。

ドアやサッシの色とのバランスを考える

せっかく外壁をお気に入りの色で塗り替えても、玄関ドアやサッシ、屋根とのバランスが悪いと、ちぐはぐな印象になってしまいます。家全体のバランスを考え、色の組み合わせにもこだわることが、後悔しない外壁塗装のコツです。

やはりこちらも専門的な知識やノウハウ、センスがないとなかなか判断が難しいので、塗装業者の担当者に相談してみましょう

過去の施工事例から完成イメージを確認する

外壁塗装を決める上で、最も参考になるのが過去の施工事例です。実際の住宅に塗られた状態を見ることで、よりリアルなイメージが湧き、仕上がり後の「こんなはずじゃなかった…」という後悔を防げます。気になるカラーがあれば、似た事例を業者に見せてもらいましょう。

また、技術力が高い、丁寧に施工をしている業者はホームページなどに施工事例を公開しています。逆に雑な業者は粗が見つかるのを恐れて、あまり事例を公開したがりません。業者の信頼性を見極めるためにも、施工事例は確認してみましょう

あなたの予算・ニーズにマッチした塗料を選ぶなら、ちば住宅コープにご相談ください

塗料の選び方は、コスト・性能・デザイン・外壁材との相性など、考えるべきことが本当に多いです。特に外壁塗装は、失敗したからといって気軽にやり直せるものではありません。迷ったときは、無理せずプロに相談するのが一番です。

千葉県で外壁塗装をお考えなら、ちば住宅コープにお気軽にお問い合わせください。お客様一人ひとりのご要望やご予算に合わせて、最適な塗料や工事プランをご提案します。専門家と一緒に納得できる塗料選びをして、長く快適に暮らせる住まいを実現しましょう。

よくある質問

最後に、外壁塗装についてお客様からよく寄せられる質問と回答をまとめました。

塗料の指定はあるの?

ちば住宅コープでは基本的にSK化研または日本ペイント製を推奨していますが、お客様のご希望があれば他社塗料も対応可能です。お気軽にご相談ください。まずはサンプルで見た目や質感を確かめていただければ幸いです。

どの塗料を選べばいいか分からない

施工前の打合せで、外壁材との相性・ご予算・デザインの希望を伺い、各塗料のメリット・デメリットを丁寧にご説明します。そのうえで最終的にお客様にご判断いただきますので、ご安心ください。納得して選んでいただくため、強引な押し売りはいたしません。お住まいのイメージに合うよう、塗料選びをしっかりとお手伝いいたします。

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